双方のコントラストにわずかなりとも目を 攪 ! (かく) 乱 ! (らん) されたメイザースの隙を突いて、まさに真正面からの踏み込み 、 上 ! (かみ) 条 ! (じよう) 当 ! (とう) 麻 ! (ま) がその右拳でもってメイザースの顔面の真ん中を狙い撃ったのだ。 「寒にして湿、水よその性質を我が前に示せ」 むしろ、メイザースは迫る 幻 想 殺 し ! (イマジンブレイカー) に対し積極的に魔術を行使した。 ガラスの砕けるよう 間に魔術を一枚挟んだ事で、拳の軌道がわずかにブレる。さながら、水槽を挟んで銃弾を撃ち込むように。 それは。 かつて一度、これとは違う形をしていた頃の 幻 想 殺 し ! (イマジンブレイカー) によって敗北し命を落としたが故の 」 「続けて、温にして乾」 わずかな遅れを取り戻せなかった。ぐるりと半身回し、人混みで波をかき分けるような格好でメイザースは難なく拳を避ける。革靴の動きとは思えない。その背中側で、ビ 火の 杖 ! (つえ) の底がこちらを 睨 ! (にら) んでいた。あたかもフェンシングのサーブルのように。 「火よその性質を我が前に示せ」 ジジッ! とマッチでも 擦 ! (す) るような音と共にこちらへ向けられた 杖 ! (つえ) の底がオレンジ色に点滅す 上 ! (かみ) 条 ! (じよう) いる真っ最中。ただ頑丈な 杖 ! (つえ) であっても無防備な喉や眼球を一突きされればこちらは終わりだ。ましてそこに魔術の炎が乗ったらどうなるか。 答えを想像する暇もなかった。 どっっっガ ッッッ !! ! 市第一位、 一方通行 ! (アクセラレータ) の拳が真横からメイザースの頰骨を打ち抜いたからだ。 初のクリーンヒット。 多くの墓石を砕きながら、スコットランド風の軍服や首元のマフラー、 外 ! (がい) 套 ! (とう) を引きずる格好でメイザースの体が 。まるで小型の飛行機でも落ちたようだった。もうもうと 粉 ! (ふん) 塵 ! (じん) が広がるが、 一方通行 ! (アクセラレータ) は結果を見る前から舌打ちしていた。 空気に。 焦 ! (あせ) りの感情が全く 伝 ! (でん) 播 ! (ぱ) してこないのだ。 そこらの屋根や 尖 ! (せん) 塔 ! (とう) には、規格外の魔術師ども ように 集 ! (つど) っているにも 拘 ! (かかわ) らず、ろくに助けに入る者も見られない。 「どォなってやがる……?」 その一言は、科学的や論理的とは程遠い。 さながら、得体のしれないジンクスとでも遭遇したような声色 も一応『反射』使って全身の血管と神経ズタズタにするつもりだったンだがよ。不発に終わったのか、それともまともな人体の設計図思い浮かべる程度じゃ話にならねェってのか?」 「おいおい」 の あった。 当然のように傷などない。それどころか、首の一つも鳴らさなかった。血と電気の通うあらゆる生物を殺す 一方通行 ! (アクセラレータ) の『反射』を避けもせず自分からまともに浴びてなお、当たり前のようにメイザー に吹っ飛ばされた事も含め、まるで遊びに付き合ってやっているような挙措。小さな子供に 掌 ! (てのひら) で押されて 律 ! (りち) 儀 ! (ぎ) に転んであげる横綱やレスラーのようであった。これではどちらがどちらの戦力を調査しているか い。 先に手札を出し切った方が 喰 ! (く) われる。 そんなゲームでも楽しんでいるかのように、首元のマフラーを指先で引き下げ、メイザースは 嗤 ! (わら) う。 「この俺は欧州全土にカバラを広め、魔術の洋の東西を切 の粛清に『 蠅 の 王 ! (ベルゼビユート) 』まで持ち出したクソ野郎だぞ? 科学だ学園都市だ、そんなオブラートに興味はない。若輩よ、コロンゾンの味を忘れたか。もう一度ここに召喚でもしてくれようか。恐怖とは、壊れない 脅 ! (おび) 上の感謝を 捧 ! (ささ) げよ。文字通り世界が変わるぞ、この恐怖を目にすればな」 「構うな」